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2023.08.28お知らせ

お互いの違いを活かす

組織で大事なことは「お互いの違いを活かす」ということです。

一見同じ価値観を持っているように見えても、お互いをよく知れば知るほど考え方も価値観も自分とは全く違ったという経験、皆さんもありませんか。

組織において、この「違い」というものがどういう意味を持ち、どのように活かしていくのかを今回は一緒に考えていきたいと思います。

【あなたは誰を選びますか】

突然ですが、皆さんに質問です。

あなたはプロジェクトの責任者に選ばれたとします。
そして、以下の候補者の中から2名を一緒のプロジェクトメンバーに選んで良いと言われました。
あなたは誰をメンバーに選びますか?

  • ①以前から大の仲良しで、プライベートでも一緒に出かけることが多いAさん
  • ②親しい同僚グループの一人で、いつもあなたの考え方に賛同してくれるBさん
  • ③親しい同僚グループの一人だが、あなたの意見とは違う意見ばかり主張するCさん
  • ④まだ付き合いは短いが、自分と話が合うので、もっと親しくなりたいDさん
  • ⑤いつも自分のことばかり主張するので、できるだけ避けたいと感じるEさん
  • ⑥あまり会話をしたことがないが、自分とは違う考えを持っていると感じるFさん
  • ⑦普段あまり話す機会がなく、自分の意見や考えを表に出さないGさん
  • ⑧いつも自分と反対の意見ばかり主張するので、最近は会話をしなくなったHさん

いかがでしょうか。

因みに①②④は自分と同質性の人で、それ以外は異質性の人です。

友人関係のように気の置けない仲間同士ならば①②④のメンバーを選んだ方が純粋に楽しいかもしれませんね

しかし、あなたがプロジェクトのリーダーとして成果を挙げようと思うのであれば、①②④以外の異質性の人を選ぶことをお薦めします。

何故なら、この「異質性」こそ組織で成果を挙げるための不可欠な要素に他ならないからです。

【凡人を非凡にするとは】

「組織の目的は、凡人をして非凡をなさしめること」というのはP・F・ドラッカーの名言のひとつです。

「組織は天才に頼ることはできない。天才は稀である。当てにはできない。凡人から強みを引き出し、それを他の者の助けとすることができるか否かが、組織の良否を決める。同時に、組織の役割は、人の弱みを無意味にすることである。 要するに、組織の良否は、そこに成果中心の精神があるか否かによって決まる。」(『マネジメント 課題、責任、実践』1973年)

ここで言う凡人とは「強みもあれば、弱みもある」ということだと思います。

そういう意味で言えば、私たちは全員が「凡人」ということになります。

そして、ドラッカーは一人ひとりが凡人であるという前提に立った上で、マネジメントの目的を「凡人から強みを引き出し、弱みを無意味にする」と言っています。

実際、新しく人が組織に入るとその人の強みと同時に弱みも入ってくるわけです。

また、組織とはもともと個人の集まりなので、一人ひとりをみると全員が強みも弱みも持っています。

しかし、成果中心の精神を持っていれば、その弱みを無意味なものにすることができるだけではなく、一人では生み出せない大きな成果を創出することができるのです。

【目的一致、個性不一致で最大の成果を出す】

私のことを例に挙げてお話させていただきます。

私は日ごろから人前で話す仕事をしていますので、人を説得したり、動機づけすることは得意です。
営業経験もあるのでその強みだけに特化して営業活動をすれば、人の3倍の契約を獲得する可能性もあります(あくまで可能性です)。しかし、営業の仕事とは契約をいただくことだけでなく契約書の作成や事務作業などがあります。実は私はこのような細かい仕事がとても苦手なのです。
自分一人でこれらを全てやろうと思ったら恐らくミスばかりで、時間も人の3倍かかってしまうでしょう。結局トータルしたら凡人ということになります。

しかし、ここにAさんという人がいて、Aさんは、口下手で人前で話すのが苦手なので、営業のような仕事ではなかなか成果が上がらないかもしれません。

だから、Aさんは能力が無いのかというとそうではありませんよね

Aさんをしっかり見ると、自分と違う強みがあるのです。仕事が非常に丁寧で、細かい仕事が非常に得意だったりします。

そのAさんと私が組んだらどうでしょうか?

私は自分の強みを生かして、契約をとることに集中でき、契約書の作成や事務仕事はそれが得意なAさんにお願いすることによって、お互いの強みだけで勝負でき、弱みが全く意味のないものになるのです。

これができる理由は、「お互いが違う」からです。

このように組織の強みはそれぞれのメンバーの類似点にあるのではなく、相違点にあるということを考えれば、リーダーは組織の目的は一致させたうえで、「相違点を尊ぶ」というスタンスを持ち、お互いの個性を活かすことです。

本田技研工場の創業者である本田宗一郎氏も

「私の信念は、自分と同じ性格の人間とは組まないということ。自分と同じなら二人は必要ない。自分一人で充分だ」という言葉を残し、全く個性の違う藤沢武夫氏と組むことで、より大きな業績を残しました。

以上のように、お互いの違いはピンチではなく、チャンスと捉え、お互いの強みを生かしていきましょう。